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ゲーム作りに関するあれこれ

ゲーム作りに使える解析手法【フォルトツリー解析】

ゲーム作りに使える解析手法としてフォルトツリー解析を紹介する

フォルトツリー解析とは

発生して欲しくない事象からその原因となる要素を書き出し、それらの事象の発生原因、発生経路を明らかにする解析手法、故障木解析ともいう。現実では原子力プラント、化学プラント、交通システムなど幅広く応用され、一定の効果を発揮している。

フォルトツリー解析の方法

フォルトツリー解析の手順を簡単に説明する

1. 望ましくない事象を定義する

2. 定義した事象の発生原因となり得るものを列挙する

3. さらに発生原因を発生させる原因を列挙する

本来はここに発生確率や論理ゲートを用いてより正確に分析するのだが、一旦は上記の手順で肝となる部分は利用できるだろう。

ゲーム開発に対してのフォルトツリー解析の適用

この解析手法をゲーム開発に適用してみる。

1. 望ましく無い事象を定義する

個人ゲーム開発に置いて望ましくない事象は以下のようなものが挙げられるだろう

- ユーザーに認知されない

- ユーザーが紹介ページを訪れてもダウンロード(or購入)されない

- 大多数のユーザーが初日で離脱する

- 課金要素を入れたが全く利用されない

この中から"大多数のユーザーが初日で離脱する"事象の解析を行ってみる

2. 定義した発生原因を発生させる原因を列挙する

どのような原因でユーザーが初日で離脱するかを列挙する

- DL時間が長い

- ゲームの動作が重い、発熱がひどい

- ゲーム開始前に設定する項目が多い

- ゲーム開始時に覚えることが多い

- チュートリアルプレイで面白さを感じることができない

- チュートリアルが終わった後に何をすれば良いのかがわからない

- キャラクターが魅力的でない

- 事前に想定していたプレイ体験と現実のそれが解離している

- ゲームが難しすぎる/簡単すぎる

この中からさらに発生原因を掘り下げていく、"ゲーム開始時に覚えることが多い"を選んでみる

3. さらに発生原因を発生させる原因を列挙する

ゲーム開始前に覚えることが多い事象を発生させる原因を列挙する

- ゲーム要素が多い

- ルールが複雑

- 序盤に全ての機能をまとめて紹介している

- ゲーム開始時に全ての機能が解放された状態になっている

一つの経路しか出していないが以下の図のようになる

あとは他の事象に対しても同様に原因を深掘りしていく

本来のフォルトツリー解析ではここから各事象の発生確率を求めるのだが、今回はゲーム用に少し変えて、事象に対する影響が大きそうなものをマークしていき、それらから積極的に改善していく、という塩梅だ。

まとめ

ゲームの改善をするとき、どうすれば悪いことが発生しないかを考え、図に起こすことでゲーム全体を理解し、より効率的な改善策を出すことができるだろう。

参考

フォルトツリー解析 - Wikipedia

参考書籍

 

ゲームのアイデアだしに使える方法【バグリスト】

ゲームのアイデアだしに使える方法としてバグリストを紹介する

バグリストとは

タイマーを10分にセットし、不愉快なこと、出会った嫌なことをジャンルや新旧に囚われず、とにかく書き出すことによって作成するリストのこと。

不快なことを書き出すことにより、ストレス解消の効果があるほか、リストの中から解決するべき問題を見つけるためのヒントを得ることができる

ゲームのアイデアだしにバグリストを活用する

今までの経験からゲームに関する嫌なこと、不愉快なことをひたすら書き出してみる。

例えば以下のようなものだ

  • レベル上げがだるい
  • 難しくて全然クリアできない
  • ルールが覚えづらい
  • 課金している人と対戦すると全然勝てない
  • 久しぶりにプレイすると何をしたら良いかわからなくなる
  • キャラクターが好みでない
  • ゲーム内の移動がめんどくさい
  • ロードが長い
  • 値段が高い
  • 片手間で遊べない
  • 子供と一緒に遊べない
  • 敵の攻撃モーションがわかりづらい
  • なんでやられたのかがわからない
  • 謎が解けず先に進めない
  • コマンド入力がめんどくさい
  • 弱い敵とのバトルがめんどくさい
  • ゲームセンターでないとプレイできない

いくつか挙げたが他にも色々とあるだろう。

自分で項目を列挙したら、その中からゲームのアイデアにできそうなものや、ゲームを改善できるものを探してみる。

例えば"ゲーム内の移動がめんどくさい"という不愉快に対しては、改善策としてファストトラベルシステムを導入したり、移動中に見える景色や音楽を工夫することで飽きさせない仕組みを作ることができるだろう。さらにDeath Strandingのようにゲームの移動それ自体を目的にゲームをデザインすることもできる(厳密には移動ではなく繋がりを作ることが目的だが)。

まとめ

ゲームのアイデアだしや、改善策を考えたい時にはバグリストを活用してみるのも良いだろう。今まで気づけなかった自分の中にある新しい視点に気付けるかもしれない。

参考書籍

 

ゲーム作りに使える心理学【後知恵バイアス】

ゲーム作りに利用できる心理学として後知恵バイアスを紹介する

後知恵バイアスとは

とある事象が発生した時に自分はそれが発生することを知っていた、察知していたと感じること。

後知恵バイアスの実験

フィッシュホフとルースベイズは実験で、1972年のニクソン大統領の中国ソ連訪問に関する外交活動において、起こりうる結果を15項目挙げ、被験者に対してそれぞれどの程度発生するかという確率を推定してもらった。その中には"毛沢東ニクソンとの会談に応じる"、"アメリカは中国を承認する"、"数十年にわたり反目しあっていた米ソが何らかの重要事項で合意に達する"などが含まれた。

そして、ニクソンの帰国後に再び同じ被験者に対して自分たちが起きる可能性を推定した15項目に対して推定した確率を思い出してもらった。その結果、実際に起きた結果については自分がつけた確率を多く見積もり、起きなかった結果に対して自分がつけた確率を低く見積もった。

後知恵バイアスの弊害

後知恵バイアスには弊害がある。それはとある事象が発生したことを知ってしまった場合、その事象に対して自身が感じていた意見や感情の再構築が難しくなる、ということだ。つまり、とある事象において間違った意見を持っていたとしても、それが覆されるとその、間違った意見をそもそも持っていなかったのように感じるのだ。

成功者に対しても後知恵バイアスがかかるだろう。彼らが成功し、輝いているとは"あの人の成功はなるべきしてなった、最初からすごい人だと思っていた"と考え、仮にその後失敗しようものなら"実は胡散臭いと思っていた"などと感じる。

ゲームに対しての後知恵バイアス

ゲームに対しても後知恵バイアスがかかるだろう、とあるゲームソフトをプレイした時に、それが何かしらの賞を受賞したと言われてプレイするのと、販売してから売り上げが全く振るわなかったと言われてプレイするのでは、いくら正当にゲームを評価しようとしても聞いた実績に影響されてしまう。

このバイアスはゲームを評価するにあたっての障害となる。ゲームオブザイヤーを受賞したゲーム内の要素はどれも素晴らしいもので、個人開発で無名のゲームの要素は悪いものであるように感じてしまうのだ。これではゲーム内の要素を適切に評価することが難しくなり、実際はそれほど重要でないゲーム内要素を真似して、結果面白くないゲームが出来上がる。

グラセフが売れたからオープンワールドは素晴らしい、ダークソウルが売れたから死にゲーは中毒性がある、と考えるようなものだ。

後知恵バイアスへの対抗策 その1

後知恵バイアスにかからずにゲームを評価するための方法として世間の評価を調べずにプレイする、というものがある。一度評価を知ってしえば、それは自分の評価に少なからず影響してしまうため、そもそも評価自体を取り込まないようにする。気になるゲームを見つけた時に、レビュー記事や購入サイトの評価を読まずに購入し、プレイ中にゲームの感想を記録してからクリア後に評価を見れば、自分と他プレイヤーが感じたことの違いがわかる。それらを比較しながらゲームのどの部分が良く、どの部分が悪かったのかを考える。

後知恵バイアスへの対抗策 その2

そのゲームの評価を心の中で反対のものに上書きしてプレイしてみるのも一つの方法だ。例えばゲームオブザイヤーを受賞したゲームを、全然売れなかったゲームとしてプレイしてみる。そうするとどんなに良いゲームでも、体験のアラが見えてくる。逆に売れていないゲームでも、ゲームオブザイヤー受賞ゲームとして遊ぶと、素晴らしい部分に気付きやすくなるはずだ。

まとめ

人はものを評価する時に前評判に大きく影響を受けてしまい、ゲームも例外ではない。

そもそもゲームは体験を提供するものであり、その体験を求めているかどうかでそのゲームに対する個人の評価は変わるものだ。

周りの評価に惑わされず、自分はこのゲームが面白かった、つまらなかったと主張できるようにしていきたい。

参考書籍

 

ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論:関係性】

今回は自己決定理論の関係性について掘り下げる

ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論】 - gametips

関係性のおさらい

自己決定理論における内発的動機づけの根底となる欲求の一つ。他者と社会的に繋がりたい、という欲求。 

なぜ関係性がある行為に対して動機づけが行われるのか

人が関係性を重視することは、人類の進化の歴史をたどれば理解しやすい。人は一人で生存することは難しく、群れを作って様々な困難に立ち向かってきた。その中で他者と関係を築くことは群れの中で生き残るためには重要なスキルだっただろう。つまり人が他者との関係性を求める性質は古来の厳しい環境を生き抜くための適応の結果なのだ。

ゲームにおいて関係性を感じてもらうためには

ゲーム内でプレイヤーに関係性を感じてもらうためには、意義のある社会的交流を提供することが重要である。その具体的な方法を協力、対戦の2つの側面から考えてみる。

協力プレイにおいての関係性

協力プレイや競い合って同一の目標を達成しようと行動することは、関係性の欲求を満たすために役立つだろう。モンスターハンターなどの4人で協力してモンスターを倒すことは、さながら狩猟採集社会での狩りのようだ。

このような活動でより意義を感じるために、どのようなことができるだろうか。それはその集団に自分がいることによるメリットを明確に理解できる、ということだ。例えばMMORPGの役職分けがそうだろう、攻撃が得意なアタッカー、防御力が高いタンク、回復が得意なヒーラーなどが自分自身の役職を全うすることでゲームをクリアした場合、その時感じる満足感は高いものになるだろう。自分がいることで群れの全体生存率を高め、貢献したと感じるのである。

ゲーム内におけるギルドやクラン機能も関係性を感じてもらうために役立つだろう。同じ場所に集い、協力を重ねるごとにプレイヤー同士の交流は密になり、より大きな関係性を感じることができる。

ゲーム内で、フレンドやギルドメンバーの状況を詳しく確認できるようにすることも、関係性を感じるための一つの方法であるだろう。いつログインしたか、どのような装備を手に入れたか、どのような称号を手に入れたのかを通知する。人は元来隣人を気にする生き物である。メンバーのステータスを確認するためにログインするプレイヤーも居るだろう。

対戦プレイにおいての関係性

対戦することでもプレイヤーの関係性を満たすことができるだろう。鬼ごっこやかくれんぼ、だるまさんが転んだなど、それぞれ対立する立場を演じながら楽しむ遊びは多いだろう。対戦で勝利したプレイヤーないしチームはは有能感を感じることができ、それを求めて何度も対戦を繰り返すプレイヤーも多い。

しかし、対戦プレイでは協力プレイと比べて気をつけることが多いだろう。それは勝利して満足するプレイヤーが限られてくるのだ。たとえばバトロワ系ゲームだと勝つのはたった1人、もしくは1チームで残りの大半は敗北することになる。ほとんど勝利できないプレイヤーも多いだろう。この時問題になるのは負けがちなプレイヤーの離脱である。何度プレイしても対戦に負けて有能感を得ることが出来ないのならば、そのゲームに対する動機づけを失ってしまうためだ。格闘ゲームバトロワ系ゲームのように純粋なスキル対決の場合はまだ良いが、それが装備などのどうあがいても勝ちを拾えないようなものならばなおさらだろう。

そしてプレイヤーが減ったゲームは徐々に衰退していくのである。

この時気をつけるべきことは、まず適切なマッチングだろう。スキル差、装備差が出ないように、それぞれ親しい相手同士とマッチングするようにするのだ。そうすればプレイヤーにとって対戦が適切な難易度となり、動機づけを保つことができるだろう。

他にはゲーム終了時にプレイヤーを細かい項目で褒めることも有効だろう。たとえばオーバーウォッチではゲーム終了後にゲーム内で一番良い行動を行ったプレイヤーを動画付きで褒める。これは勝敗に関係なく決められる。また、チーム内で自分がどれだけチームに貢献したかをランキングと数値で褒めるのだ。敵に与えたダメージはチームで1位、敵を倒した数はチームで3位、などである。こうすれば仮に負けたとして自分がこれだけチームに貢献できた、このくらいの能力を持っていると動機づけを保つことができるのだ。

まとめ

今回は自己決定理論の関係性を掘り下げてみた。

私達は現代になっても、今まで受け継がれてきた生物としての社会的欲求に縛られ、それを求めている。人が集まるゲームを作るときはどれだけプレイヤーによって居心地の良い居場所を提供できるかが、重要になってくるだろう。

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ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論】 - gametips

参考書籍

 

ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論:自律性】

今回は自己決定理論の自律性について掘り下げてみる

ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論】 - gametips

自律性のおさらい

自己決定理論における内発的動機づけの根底となる欲求の一つ。自分自身で行動を決めたい、という思い。

ゲームにおいて自律性を感じてもらうためには

自律性は、自分の意思で行動している感覚を与えることで感じてもらえるだろう。具体的にどのようなものがあるかを紹介する。

自律性とサンドボックスゲーム/オープンワールド

プレイヤーが自律性をより強く感じることができるゲームジャンルはマインクラフトに代表されるサンドボックス系ゲームだろう。これらのサンドボックスゲームは目標こそあるが、絶対のものではない。ゲーム内で何をするか、何を目標にするのかはプレイヤーに委ねられているのだ。このことはマインクラフトの実況動画を見ることで確認できるだろう、とあるユーザーはひたすら建造物を作り、他のユーザーは演算器を作成し、また別のユーザーは音楽を奏でている。マインクラフトというソフトの共通点はあるが、中で何をするのか、何をしたいのかはプレイヤー次第なのだ。この要素はプレイヤーの自律性をよく刺激するだろう。

オープンワールドも自律性を刺激するものだろう。オープンワールドもその性質上プレイヤーに様々な選択肢を提供する。プレイヤーはそれらの中から自分がやりたいことを見つけ、ストーリーそっちのけで行動する。これもグランド・セフト・オートVの実況動画を見ればわかるだろう、ストーリーそのものを実直にすすめているものは少なく、Modで遊んだり、ユニークな実験をしているようなものが多い。

自律性と選択肢の多さ

自律性とゲーム内で取れる選択肢の多さには相関がある。取れる選択肢が多いほどプレイヤーは自分で決めることができるため、自律性を刺激することができる。しかし、選択肢をただ増やせばよいということはない。選択肢それぞれに対してプレイヤーがやる意義を見いだ差ない場合、それらの選択肢は有益になるどころか有害になるだろう。

例えば、ストーリーの水増しで似たようなサブミッションを大量に作成することを考えてみる。このときプレイヤーにはストーリーを進めることとサブミッションをすすめることと選択肢ができることになるが、そのうちサブミッションは意義のある選択肢ではなくなるだろう。似たようなストーリー、似たような敵、似たような報酬が繰り返されればプレイヤーはサブミッションに対して新鮮さを感じることはなくなる。プレイヤーはツァイガルニク効果により物事を完結させようとする動機づけがあるが、水増しのサブミッションはその障害になってしまう。

プレイヤーにとって有意義な、そしてやりたい物事があってその中から自分の意思で選択するからこそ自律性が刺激されるのだ。

良い自律性に対する刺激の例 メタルギアソリッド

メタルギアシリーズは自律性を感じさせるためにの要素がある。それは敵に見つかったときにプレイヤーが行う、戦うか逃げるかの選択だ。どちらの選択肢も自分自身を守るための意義のある行動である。プレイヤーは見つかった時自分自身がおかれている状況を瞬時に判断し、行動を決定する。これが自律性を刺激するのだ。

良い自律性に対する刺激の例 侍道

侍道も良い例だろう。このゲームには敵対する派閥がいくつか出てくるが、プレイヤーの行動により、どの派閥に与するかを決めることができる。ゲーム内の細かい判断の積み重ねがプレイヤーの立ち位置を決めるのだ。

まとめ

プレイヤーがゲーム内で取れる行動の中から行いたいものを選択し、実行することで自律性を感じることができる。ただし、その選択肢はどれもプレイヤーにとって意義のあるものであることが条件である。

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ゲーム作りに使える心理学【ツァイガルニク効果】 - gametips

参考書籍

 

ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論:有能性】

今回は以前紹介した自己決定理論の有能性の部分について掘り下げる

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有能性のおさらい

自己決定理論における内発的動機づけの根底となる欲求の一つ。自分のが能力があると感じたい思い。

ゲームにおいて有能性を感じてもらうには

有能性の欲求を満たすには、以下の感覚をプレイヤーに与えることが重要である

  • 制御感
  • 進行感
  • 習熟感
制御感

自分がゲーム内の物事をコントロールできる、という感覚である。

この物事はどんなに小さいことでも良い、マリオがジャンプしてブロックを壊すのも、ゼルダが剣を振って敵を倒すことも、インクリングがインクを発射して壁を塗るのも、コントロールしている感覚を与える。なにか物事に対してその難易度こそあれ自分が思ったとおりに影響を与えることができればよいのだ。

キャラクターの能力を知り、それがゲーム内の世界に影響を与えることが確信できた時、プレイヤー制御感を持つ。

ゲーム内のフィードバックを工夫すればこの感覚をより強化できるだろう。具体的にはフィードバックの速さとわかりやすさだ。スーパーマリオブラザーズのブロック壊しが良い例である。

まず速さだが、マリオがジャンプしてブロックを壊したときにブロックは瞬時に壊れるだろう。この瞬時に壊れることはマリオがそのブロックを壊したことを明確に表している。仮に、マリオが叩いてから5秒後にブロックが壊れたのならプレイヤーは自分が壊したのか、それとも時間やマリオの位置など、違う条件で勝手に壊れたのかわからないだろう。

次にわかりやすさだが、ブロックが壊れるときにブロックは破片となり四方に飛び散る。この演出により、マリオが力強い力でブロックを叩き割ったということがより強調される。これもブロックが透明にフェードアウトしたのなら叩き割ったという感覚が薄れるだろう。

とにかく、キャラクターのアクションとそれがゲーム内に与える影響を疑う余地なく明朗にプレイヤーに提示することが重要である。

フィードバックの他にキャラクターのペルソナ設定でも、制御感を出すことができるだろう。スパイダーマンバットマンがわかりやすい。彼らはヒーローであり、スキルをもっていることは疑いの余地がない。プレイヤーは彼らをコントロールすることで自分も同様にゲーム内の世界をコントロールできると感じる。

進行感

物事がより良く進んでいる、という感覚である。

ゲームでは進行感を感じるイベントがたくさんある。例えばポケモンでジムリーダーを倒したり、モンハンで新しいクエストを受注できるようになったり、ゼル伝マスターソードを手に入れたりした時がそうだろう。

他には、すでにあるものがより良くなることにも進行感を感じさせることができるだろう、具体的にはHPなどのパラメータアップ、新しいスキルの取得などである。

進行感を出すために重要なことは、進行の見える化だ。ゲーム内で何かが進行したとしてもその演出がなかったり、演出がさっぱりしたものであればプレイヤーは新交換は出しづらい。RPGのレベルアップのときにただレベルが上った、といわずに具体的に力が○ポイント上がったと表現するのはそれぞれのパラメータが上がったことでキャラクターがちゃんと成長していると伝え、進行感を感じさせる役目もあるだろう。

また重要なボスに会った時、それを倒した時、新しいエリアに入った時、貴重なアイテムを入手したときにムービーなどの演出を挟むのも一つの方法だろう。プレイヤーはその演出によりゲームが進行していると感じる。

習熟感

ゲームがうまくなっていると感じる感覚である。

この要素もゲームにはたくさんあるだろう。例えば、今まで倒せなかった敵が倒せた時、格闘ゲームでコンボが決まった時、バトロワFPSで最後まで残った時、パズルゲームで最大連鎖を達成したときなどである。

今まで出来なかったことができるようになったことでプレイヤーは習熟感を感じることができるだろう。

習熟感を出すために重要なことは成長のためのフィードバックと成長の見える化である。フィードバックはプレイヤーの行動に対して何が良かったのか、何が悪かったのかを明確に伝える役目がある。良いことを褒めるフィードバックとしてはコンボを繋げるごとに演出が派手になる、FPSでヘッドショットを決めたときに小気味よい音がなる、ステージクリア後の画面でファンファーレがなる、などである。これらの演出を挟むことでプレイヤーに対してあなたは正しいことをしました、というメッセージを与える。悪いことを叱るフィードバックに関しては、ダメージを受けたときに画面が振動する、キャラクターがのけぞる、キャラクターがやられたときに画面が暗転するなどである。

フィードバックで重要なのはなぜその発生したのかをプレイヤーがきちんと認識できることである。なぜ褒められたのかわからない、なぜ叱られたのかがわからないままだとプレイヤーは自分の行動をどのように修正すればよいかがわからないためだ。

学力テストを受けて結果が返ってこなかったら自分の間違った問題を復習することも出来ない。

成長の見える化は、プレイヤーがどれだけゲームがうまくなったのかを伝える役目がある。勝率、最大コンボ数、称号、ミッション達成数などをプレイヤーに見えるようにして習熟感を感じてもらう。獲得や達成の節目でしっかりとプレイヤーを褒めることを忘れてはいけない。これは進行感と近いところもあるだろう。

まとめ

今回はプレイヤーに有能性を感じてもらうためにどのようなことができるかをまとめた。重要なのは制御感、進行感、習熟感をプレイヤーに感じてもらうことで、そのためにはフィードバックや演出が活用できる。

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ゲーム作りに使える心理学【自己決定理論】 - gametips

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参考書籍 

 

ゲーム作りに使える心理学【自己ハーディング】

ゲーム作りに使える心理学として自己ハーディングを紹介する

自己ハーディング

自分自身の今で行った行動に基づいて、物事の善し悪しを判断すること。ハーディングのHerdは群衆の意。

日常の自己ハーディング

毎日の習慣は自己ハーディングの結果と言えるだろう。例えば出社前にコンビニでコーヒーを買う習慣がどのように確立されたかを考えてみる。どんな習慣であれ、必ず1回目があるはずだ。その時の気分は思い出せないかもしれないが、初めての出社前コーヒーを買った時点でその行動に自分自身がひとり集まる。そして出社前になにか飲みたいと思ったときに行動にすでに集まっている自分自身の数を参考にしてどの行動を行うのか決めるのだ。コンビニコーヒーに多く集まっていたら、その数をみてコンビニコーヒーを買うことを選択する、そして自分自身がひとり増える。

物事を繰り返せば習慣になるのは自己ハーディングで説明できる、過去に連続してやったことは過去の自分が選んだことのため、選ぶ価値がある、ということだ。

最初の1回の選択

自己ハーディングで面白いところは、最初の1回の選択が後ほどの選択に大きく影響するということだ。例えば3つの選択肢があったときに気まぐれで、1つ目を選んだとしよう、次に同じ選択肢から物事を選ぶときにそれぞれの選択肢に集まっている自分自身を見てみると1つめに1人いる状態である。このことから過去の自分が集まっている1つ目の選択を選びやすくなる、何度も繰り返して1つ目の選択肢に集まっている自分の数が多くなればもはやひっくり返すことは困難になってくるだろう。最初の1つ目を選んだときの気分がそれ以降の選択に影響してくるのだ。

例えば、初めて飲んで美味しいと思ったお酒の銘柄が好き、スマホOSは初めて買ったスマホのOSと同じものを使い続けている、一人暮らしで初めて買った米のブランドを買い続けている、初めて落としたスマホゲームは結構続けている、などがあるだろう。

ゲームにおける自己ハーディングの活用

ではこのゲームにおいてこの自己ハーディングを活用するためにはどうすればよいかを考える。

自己ハーディングの活用  序盤の繰り返しを重視する

何回もプレイしてもらえば自己ハーディングによって更に遊んでもらえるようになる、ということは最初の数回を連続してプレイしてもらえればよい、ということだ。そのためにできることはいくつが考えられるが、まずプレイするためのハードルを下げることだろう。具体的には手軽にプレイ開始できる、起動してからゲームプレイまでが早い、1回のプレイがそれほど重くないことだ。他には序盤に複数回起動に対する動機づけを行うことだ。これはソーシャルゲームが良い例だろう。体力システム、ログインボーナス、定期的なイベント開催などがなどである。

自己ハーディングの活用 番外編 最初の1回目に選んでもらえるようにする

プレイヤーに遊んでもらえる初めてのゲームになると、自己ハーディングによって継続して遊んでもらえる可能性が高くなるだろう。別に人生で初めてプレイしてもらえるゲームにならないといけないわけではない、スマホで遊ぶ初めてのゲームでも良いし、初めて遊ぶパズルゲームでも良い。

例としては、携帯電話にプリインストールされているゲームが挙げられる。携帯電話で暇を潰したいと思ったときにすでに入っているゲームを選択肢、そのまま遊び続ける、ということだ。

ほかにうまくやっているのは任天堂だろう。今でこそスマホアプリゲームが流行ってきたが、それより前は初めてプレイするゲームは任天堂のゲーム、もしくは任天堂のハードで遊んでいたという人は多いのではないだろうか。そうして任天堂は子供やゲームをあまりプレイしてこなかった大人たちの初めてのゲームブランド、ということになり今後も選ばれやすくなる。

まとめ

自己ハーディングにより人は最初に選択した行動に大きく影響を受け、その影響は回数を重ねるごとに強化される。

ゲームではプレイのはじめやすさと序盤の何度もプレイする動機づけを意識するとよいだろう。

参考書籍