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ゲーム作りに関するあれこれ

ゲーム作りに使える心理学【自己ハーディング】

ゲーム作りに使える心理学として自己ハーディングを紹介する

自己ハーディング

自分自身の今で行った行動に基づいて、物事の善し悪しを判断すること。ハーディングのHerdは群衆の意。

日常の自己ハーディング

毎日の習慣は自己ハーディングの結果と言えるだろう。例えば出社前にコンビニでコーヒーを買う習慣がどのように確立されたかを考えてみる。どんな習慣であれ、必ず1回目があるはずだ。その時の気分は思い出せないかもしれないが、初めての出社前コーヒーを買った時点でその行動に自分自身がひとり集まる。そして出社前になにか飲みたいと思ったときに行動にすでに集まっている自分自身の数を参考にしてどの行動を行うのか決めるのだ。コンビニコーヒーに多く集まっていたら、その数をみてコンビニコーヒーを買うことを選択する、そして自分自身がひとり増える。

物事を繰り返せば習慣になるのは自己ハーディングで説明できる、過去に連続してやったことは過去の自分が選んだことのため、選ぶ価値がある、ということだ。

最初の1回の選択

自己ハーディングで面白いところは、最初の1回の選択が後ほどの選択に大きく影響するということだ。例えば3つの選択肢があったときに気まぐれで、1つ目を選んだとしよう、次に同じ選択肢から物事を選ぶときにそれぞれの選択肢に集まっている自分自身を見てみると1つめに1人いる状態である。このことから過去の自分が集まっている1つ目の選択を選びやすくなる、何度も繰り返して1つ目の選択肢に集まっている自分の数が多くなればもはやひっくり返すことは困難になってくるだろう。最初の1つ目を選んだときの気分がそれ以降の選択に影響してくるのだ。

例えば、初めて飲んで美味しいと思ったお酒の銘柄が好き、スマホOSは初めて買ったスマホのOSと同じものを使い続けている、一人暮らしで初めて買った米のブランドを買い続けている、初めて落としたスマホゲームは結構続けている、などがあるだろう。

ゲームにおける自己ハーディングの活用

ではこのゲームにおいてこの自己ハーディングを活用するためにはどうすればよいかを考える。

自己ハーディングの活用  序盤の繰り返しを重視する

何回もプレイしてもらえば自己ハーディングによって更に遊んでもらえるようになる、ということは最初の数回を連続してプレイしてもらえればよい、ということだ。そのためにできることはいくつが考えられるが、まずプレイするためのハードルを下げることだろう。具体的には手軽にプレイ開始できる、起動してからゲームプレイまでが早い、1回のプレイがそれほど重くないことだ。他には序盤に複数回起動に対する動機づけを行うことだ。これはソーシャルゲームが良い例だろう。体力システム、ログインボーナス、定期的なイベント開催などがなどである。

自己ハーディングの活用 番外編 最初の1回目に選んでもらえるようにする

プレイヤーに遊んでもらえる初めてのゲームになると、自己ハーディングによって継続して遊んでもらえる可能性が高くなるだろう。別に人生で初めてプレイしてもらえるゲームにならないといけないわけではない、スマホで遊ぶ初めてのゲームでも良いし、初めて遊ぶパズルゲームでも良い。

例としては、携帯電話にプリインストールされているゲームが挙げられる。携帯電話で暇を潰したいと思ったときにすでに入っているゲームを選択肢、そのまま遊び続ける、ということだ。

ほかにうまくやっているのは任天堂だろう。今でこそスマホアプリゲームが流行ってきたが、それより前は初めてプレイするゲームは任天堂のゲーム、もしくは任天堂のハードで遊んでいたという人は多いのではないだろうか。そうして任天堂は子供やゲームをあまりプレイしてこなかった大人たちの初めてのゲームブランド、ということになり今後も選ばれやすくなる。

まとめ

自己ハーディングにより人は最初に選択した行動に大きく影響を受け、その影響は回数を重ねるごとに強化される。

ゲームではプレイのはじめやすさと序盤の何度もプレイする動機づけを意識するとよいだろう。

参考書籍