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ゲーム作りに関するあれこれ

ゲーム作りにおいて求められている体験の見つけ方その2

前回の記事でゲーム作りにおいて求められている体験の見つけ方を説明した

 

ゲーム作りにおいて求められている体験の見つけ方その1 - gametips

 

今回はその2として自分が面白いと思うこと以外で求められている体験を見つける方法を考えてみる。

 

その方法は他人から、具体的には自分の周りの人達から求められている体験を学ぶ、ということである。

 

ゲームを作る上で様々な体験が役に立つことは前回触れたが、だからと言って世界中に存在する事柄を全て体験することは時間がいくらあっても足りないし、そもそも時代、国籍、人種、母語、性別など本人ではどうしようもない属性により、経験できないこともあるだろう。

 

簡単にできる体験はさっさと自分で体験しても良いが、そうでない場合は周りの人々に話を聞いてみるのが良い。聞いてみる人は別にその道のプロに限らずともよく、その体験をしたことがある、打ち込んだことがあるならば誰でも良い。

例えば野球のゲームを作ることになったときに、昔野球部だった同級生にその時の話を聞いてみる。なんで野球を始めたのか、どういう時が一番嬉しかったか、辛い練習をどうやって乗り切ったか、野球を続けられたのはなぜか、一番記憶に残っていることは何か、などである。

自分が好きで打ち込んだ思い出を話すことに躊躇ある人はあまりいないだろう。その人の言葉からこの人はどういう気持ちで野球と触れていたのかを考える。

入部時に全く早く球を投げることができなかったが2年間練習して110kmを投げることができたときが一番嬉しかった、ということであればその人は成長という体験が、地区大会で初めてベスト4に入った、などであればチームメンバー全員で難局を乗り越える体験が心に残ってることになる。

彼らの体験はもちろんポジティブなものだけではない。そのような様々な種類の体験からゲームに使えそうなものをふるいにかけることで、彼らが野球ゲームに求めていることが見えてくるだろう。

このようにして、他人から話を聞くことによって、彼らが行った事柄からどのような体験をすることができたか、それらをどのように感じたかを知ることができる。

この時気をつけるべき事は、話を聞くときにきっちりと聞き手に耳を傾ける、ということである。話を聞いている途中で自分のことを話したくなったり、彼らの話に違和感を感じたりすることもあるだろう。そこで話を遮って自分が話始めることはしてはいけない。まず相手の感じたことをその純に受け取ることが大切である。

 

他の方法として子供を観察する方法がある。彼らは大人と違い、自分の感情、体験を言葉にすることに長けてはいないが、面白い、面白くないの感情はすぐに表に出てくる。さらに大人であれば見向きもしないものに面白さを見出し、何時間もそれに執着したりする。面白さを見出す、という事柄に関しては子供ほど優秀な先生はいない、ということだ。

観察の方法は様々だが、まず彼らが遊んでいるときに何を目的としているのかを考えることがある。彼らには求めている体験があり、それを得るために遊んでいるため、目的があればそこから繋がる体験もなんとなく想像できるのではないか、ということである。

自分ごとで恐縮だが、友人の子供はテーブルの上にある割り箸の空袋をひたすら等間隔に並べていた。目的はそのままだが、きれいに袋を並べることだろう、彼女は整理整頓の欲求があり、並べ終わった時の満足感やうまく並べることによる達成感を得たかったのではないか、と考えた。彼女はまだ満足に話すことができないので、答えはわかることはないのだが、このように人が持っている根源的な欲求を子供の振る舞いから感じ取ることはできるだろう。

いくらゲームのためとは言っても街中で人の子供をじろじろ観察するのはやってはいけない。変に勘違いされる可能性もあるし、そもそも見られた本人や彼らの親が不安になってしまうからだ。ここら辺は節度をしっかり保とう。

 

ゲーム作りにおいて求められる体験の見つけ方その2として周りの人々からヒントを得る方法を説明した。

その3では自分でも、周りの人でもないところから体験を見つけることができないかを考えてみる