心理学バイアスであるIKEA効果をゲーム作りに応用する方法を考えてみる
IKEA効果とは?
人は自分自身が作成したものや関わったものを、他のものよりも価値が高いと感じる効果である。基本的に商品の組み立てを購入者が行う家具量販店のIKEAにちなんで命名された。
日常にあるIKEA効果
IKEA効果は普段の私たちの生活に良られる。例を挙げると
- スーパーの人参よりも、家庭菜園で自分で育てた人参の方が美味しく感じる
- 宅配よりも、自分で作った料理の方が美味しく感じる
- 社会人になり、初めて関わったプロジェクトの成果物に愛着を感じる
- カフェのコーヒーよりも自分で豆を挽いて入れたコーヒーの方が美味しく感じる
- DIYで作った本棚に愛着を感じる
などである。このような事例は皆さんも心当たりはないだろうか?
ゲームにおけるIKEA効果の活用の例
ではゲームにおいてIKEA効果がどのような時に発生しているかを考える。一番わかりやすいのはマインクラフトに代表されるサンドボックスゲームだろう。これらのゲームは基本的に何もないところで好きなものを作っていくゲームである。ほとんど何も持ってないところからゲームを初めて、素材を集め、それらの特性を学習し、何度も間違ったところにブロックをおいたり、穴を開けたりしながら作成した自分の住処などは、他の人が作った小綺麗な家よりも特別に感じるだろう。
他には自分で壺やオブジェなどを作るクラフト系もそうだろう。これはインディーズやハイパーカジュアルで良く見られるジャンルだ。好きなような作品を作成して、それらに愛着をもち、また作品を作りたいと思う、という塩梅だろうか。
最後にMMORPGなどのキャラクター育成もIKEA効果が多大に発揮される。日本ではFF14などに代表されるこれらのゲームはキャラクターの育成に大きな幅があることが多く、まさに一人一人オリジナルのキャラクターを作成できる。自分の好きなようにキャラメイクして、多くの時間を投下して共に成長してきたキャラクターに対する愛着は並大抵のものではないだろう。
ゲーム作りへの活かしかた
ゲームにおけるIKEA効果の代表例として、サンドボックス系、クラフト系、MMORPG系などを挙げたが、このようなジャンルでないとIKEA効果を発揮できないか、というとそうではない。IKEA効果の自分が関わる/作るという部分をちゃんと抑えれば、他のゲームジャンルでも活用できるだろう。
例えばMMORPGほどの幅を持たせることができなくてもゲームキャラクターに簡易キャラメイク機能を入れる(髪の毛の色や、目の色が変わる程度)。キャラクターに名前をつける機能を入れる。選択肢の中から一つ選ばせる(ポケモンの御三家システム)などである。
まとめ
ゲームの継続率や評価の低さに悩んでいる場合は、プレイヤーが作る/選択する要素を入れてあげると良いかもしれない。
IKEA効果を活用すれば、プレイヤーがゲームキャラクターやゲーム内作品に愛着をもち、より楽しんでプレイをしてくれるだろう。