ゲームを作るときの落とし穴として多義図形を紹介する
多義図形とは
一つの図形でありながら、2つ、もしくはそれ以上のものに見ることが可能な図形である。曖昧図形ともいう。
多義図形の例
ウサギとアヒルの絵が有名だろう。
この絵は見方によってウサギともアヒルともとることができる。
他には横顔が若い女性にも老婆にも見える絵などがあるだろう。
多義図形の問題点
上記の絵のようなものを、トリックアートとして楽しむのなら特に問題がないのだが、それを一般生活に持ち込んでくるとなかなか面倒なことになる。人によってそれらの図を見たときの解釈が違うのだ、例えば道路標識などで、みる人の解釈が違う図形が採用されたらそれが重大な事故につながりかねない。
他には、ととあるコンビニのドリップマシンのデザインも多義図形だと言えるだろう。そのマシンにはRとLのボタンがポツンとついている。ドリップマシンなのでもちろんそれらはコーヒーのサイズであるRegularとLargeなのだが、これらの頭文字が2つ並ぶとどうしてもRightとLeftを想起してしまうのは私だけであろうか。結局そのデザインでは情報を適切にお客に伝えることができず、テプラなどで装飾されてしまったもマシンもあった。
多義図形とゲーム
ではゲームではどうだろうか。多義図形の罠にかかりそうなのはやはりアイコン系だろう。文字でなく図形として迅速にユーザーに情報を届けるためのアイコンだが、うまく作らないとユーザーに適切に認識してもらえなくなる。特に難しいのはそのゲーム独自のアイコンだろう、例えばゲーム内で登場する特定の集団のシンボルやモンスターの素材などである。それらは現実には存在しないため、普段から私たちが利用しているアイコンに当てはめることができない。よってオリジナルのアイコンを作成して、それをユーザーに覚えてもらう必要がある。元々のアイコンから表しているものをどれだけ違和感なく伝達することができるかがデザイナーの腕の見せ所だろう。
まとめ
ゲームはプレイヤーが求める体験を適切に提供するものであり、それらを達成するために各種情報は適切に伝達する必要がある。そのためにアイコンなどの小さな素材もしっかりとプレイヤーに情報が伝わるように作成し、本来のゲーム体験にプレイヤーが集中できるようにしたい。
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参考
Rabbit–duck illusion - Wikipedia